革製品
自分で直すか 直してもらうか
by LECZA

革製品を染め直す際の注意点


■目次

1.染色補修の資材について

  ■染色用と補修用

2.染色補修の道具について

  ■刷毛とスプレーガン

■はじめに

革製品の色を直すには専門性の高い知識と、

正確な技術が必要とされます。


日々技術を磨き、様々な商品を扱って経験を積んだ職人が、

染色補修のプロとして活躍しています。


染色補修の資材とそれを扱うための道具、

革の状態を見極める知識と経験、

そのすべてが必要です。


どれか一つでも欠けていると
満足できる仕上がりにはなりません。


ではどのように行っているのか、

染色補修の注意点をふまえて解説していきましょう。


1.染色補修の資材について


■染色用と補修用

革の染色補修に使用する材料は、

染色用と補修用に分かれます。


ナチュラルピグメント

↑染色用 皮革用塗料『ナチュラルピグメント』


染色用は革に色を付けることを目的としており、

色の塗装膜が非常に薄く、

革の風合いが良く柔らかく仕上がります。


逆に補修用は、革のキズ補修に使用するため、

塗装膜は厚くなります。


補修用は塗装膜が厚く硬いので、

キズを埋めることに優れています。


どちらも革に色を付けることはできますが、

目的に合わせて使用しなければなりません。


主に染色用は革全体的を染め直す場合、

補修用は部分的なキズ補修に使用しなければなりません。


 

補修用を全体の染め直しに使用してしまった場合、
革が硬くなりヒビ割れの危険があります。


塗膜不良

もし補修用で革全体を塗ってしまうと、

革の中に硬い補修用顔料が染み込み、そのまま固まります。

革の柔軟性が失われ、硬くなり、もう元に戻すことは出来なくなります。


染色補修のプロは材料の特性を上手く使い分け、

革の状態に合わせて処理を行っています。


 

それぞれ資材には用途がありますので注意が必要となります。


2.染色補修の道具について


■刷毛とスプレーガン

革の染色補修するときに使用する道具には、

刷毛とスプレーガンがあります。


それぞれメリットとデメリットがあります。


スプレーガンの場合

革の染色補修する場合は、主にスプレーガンを使用しています。

革の製造工程の中での染色と同じ工程で、染色補修は行います。


メリットは、

スプレーガンによってミスト状になった塗料が革に付着することで、

革の中に吸い込まれる塗料の量が減り、柔らかく仕上がります。

スプレーガン

また、革に色ムラがでないよう染色することができます。


デメリットとしては、

金具などに色が付かないようにマスキングする必要があるということです。

仕上がりに関係しませんが、手間が掛かります。


刷毛の場合

刷毛を使うメリットは、

マスキングをせずに塗ることができるということです。

特にステッチに色が付かないようにするには、刷毛が必要になります。

刷毛

また、刷毛の方がスプレーガンよりも簡単に色を塗ることができます。


しかしながらデメリットがあります。

刷毛はスプレーガンよりも塗料の量が多く付き、

塗装膜が厚くなりがちです。

また、刷毛が直接革に塗料を付けるため、

革が大量に塗料吸ってしまいます。

そのため、革の中に塗料が入り込んで固まるので、

革が硬くなってしまいます。


刷毛だけで染色すると、革が硬くなる場合があります


革の染め直しは、道具を革に合わせて使い分けをし、

正しく染色補修しなければなりません。


使用する道具にはメリット・デメリットがあります。

そのことをよく理解して使うようにしましょう。


■最後に


革を染色補修するための資材と道具はに、

それぞれに適した用途・用法があります。

また、それを使いこなす知識や経験も必要となります。


革製品に使用されている革の種類・染色方法・加工方法は千差万別で、

それぞれに適した材料と道具、技術が必要となります。


革の染色補修におけるプロフェッショナルは、

正しい知識と技術を養って革の染色補修をしております。

はじめて革の色を自分で直す方はこちら
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